INSTALLATION


「Ariadone in Contemporary Maze」
in
Exhibition : Sapporo Miraiten 10th
Nomadic Circus Troupe参加作品
2011 3/19sat.-3/27sun.
@Hokkaido Museum of Modern Art

 

手に結ばれた細長い一本の糸
The fine thread is tying our hand.

求める美
Art I wanted.


あてのない彷徨
Aimless roaming.


現代の迷路
Contemporary maze.


彼女は道筋を示してはくれない
She does not point the way.


道化の涙
The pierrette is tearing


それは帰路への誘惑
It is tempting to home

美学への問いかけ

そこにはPCとプロジェクター、アリアスの像が置いてあります。アリアスは、日本の美術学校でおそらく最もデッサンでされる像の一つでしょう。アートにおけるアカデミックな技術指向は、知識と訓練の延長上にあると言えるでしょう。コンテンポラリーアートも例外ではなく、コンセプトよりも「モノ」としてのクオリティそのものが作品の強度とされることがあります。このような問題を背景として、タイトルの「Contemporary Maze」は現代の美学の迷宮を意味します。会場に入ると、鑑賞者を巻き込むように投射された映像には、PCのデスクトップに並べられた1000のコピーフォルダがあり、オリジナルを探す気が起きないほどに散らかっています。一見その画像がアリアスを通して背後に投射されているように見えますが、像には何も投影されておらず、しばらくすると青白く光る涙を流します。映像技術を使ってある種のイリュージョンを提示することによって、鑑賞者は種明かしを求めはじめますが容易にはわかりません。このような堂々巡りや、つかみどころのない認識そのものが本作品のテーマです。アートの価値とは何でしょうか?鑑賞者にとって分かりやすいものでしょうか?それともクオリティでしょうか?
 それはアーティストが直面する美の迷宮であり、時代に寄り添いながら永遠に続く旅と言えるかもしれません。

下記の札幌未来展10th公式HPにてインタビューも公開しております。
http://www.sapporomiraiten.com/

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