INSTALLATION
「Ariadone in Contemporary Maze」
手に結ばれた細長い一本の糸 求める美
美学への問いかけ そこにはPCとプロジェクター、アリアスの像が置いてあります。アリアスは、日本の美術学校でおそらく最もデッサンでされる像の一つでしょう。アートにおけるアカデミックな技術指向は、知識と訓練の延長上にあると言えるでしょう。コンテンポラリーアートも例外ではなく、コンセプトよりも「モノ」としてのクオリティそのものが作品の強度とされることがあります。このような問題を背景として、タイトルの「Contemporary Maze」は現代の美学の迷宮を意味します。会場に入ると、鑑賞者を巻き込むように投射された映像には、PCのデスクトップに並べられた1000のコピーフォルダがあり、オリジナルを探す気が起きないほどに散らかっています。一見その画像がアリアスを通して背後に投射されているように見えますが、像には何も投影されておらず、しばらくすると青白く光る涙を流します。映像技術を使ってある種のイリュージョンを提示することによって、鑑賞者は種明かしを求めはじめますが容易にはわかりません。このような堂々巡りや、つかみどころのない認識そのものが本作品のテーマです。アートの価値とは何でしょうか?鑑賞者にとって分かりやすいものでしょうか?それともクオリティでしょうか? 下記の札幌未来展10th公式HPにてインタビューも公開しております。 |