自己とはなにかをテーマにした作品。スピードアップを強いる情報化社会。めまいを起こす無数の選択肢。私の身体は重苦しい鉄のシャツのよう。そんなものは脱ぎ捨てて逃げ出したい。重なるように、軽やかに風に揺れる白いシャツ。それは清潔で汚れがない理想的な身体。私たちは磨き続ける。きらきらと輝く宝石のような本当の私が現れるまで。現代社会では身体は厄介者になりつつあるのかも知れない。

逃げ出したい。
私をさだめるすべてから。
重苦しいわたしという容れ物。
真っ白で清潔なシャツ。
揺さぶって毒を吐き出す。
汚れをきれいに洗い落とす。
もっときれいに。
もっと
もっと
そしてわたしは消えてなくなる。

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