INSTALLATION
「hang ひっかけておく」
鉄
サイズ:200x70x1cm
今、たくさんの人たちの思いを受け止めるもの、私たちが手放しで信じられるものは何でしょうか?それは、私たちが持っている「ふつう」という共通感覚です。あの日から今日に至るまで、「ふつう」の感覚が劇的に揺さぶられ、壊されました。誤解を恐れずに言えば、それは社会に通底する常識という概念を試される出来事でした。
この大きな損失を埋めるために必要なのは、一時的な癒しを求めることではありません。「私達が今立っている場所は本当に正しいのか?」という意識に立ち返り、これからを考えることです。
そのために、あまりに「ふつう」で、意識にのぼらないものを題材に、既成の概念に揺さぶりをかけ、問いかけることから、全てが始まるのではないかと思い至りました。この大きいハンガーのようなオブジェクトをパブリックな空間に設置することによって生じる意識のズレ、違和感、あるいは驚きから始まる会話を通して作品ができあがります。
つまり、この作品の本質は、ハンガーという「もの」の機能ではありません。さまざまな人の思いや考えを受け止め、一時的に引っ掛けておくためにあります。そして、「ふつう」から何かが始まるのです。私たちを無意識によりよい方向に変えてくれる存在。それは、私が考える理想の人間像を代弁しているといっていいかもしれません。
かざらない
おごらない
うそをつかない
やくにたたない?
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