文化遺産活用プロジェクト hip-A主催 資料館をARTする
「see:saw 見る:見られる」
2012年 1月17日(火)〜22日(日)
プロジェ・トロンプルイユ
2012年 1月20日(金)〜22日(日)
@札幌資料館
資料館ファサード。元控訴院であった由緒ある建物です。文化財を活用していこうという本プロジェクトに賛同して、5年ほど関わっています。「見る」をテーマにしたのは、目隠しをしたジャッジの女神へのテーゼです。
see:saw 見る:見られる
私たちのふるまいは、私たちが何を見ているかの裏写しであると言えます。けれども、私たちは現代において「ふつう」の基準となっていた「お天道様」「世間様」に"見られている"感覚を失いつつあります。
作品を見たとき、多くの視線に晒される容赦のない暴力性や、純真な子どもに見返された時のような、「私」が品定めされる感覚を覚えるかも知れません。しかし、しばらく鑑賞していると、こちらを覗いている目は、瞬きと同時にめまぐるしく入れ替わり、「私」がその中にいるような感覚が生まれてきます。この「見る」と、「見られる」が混然となったとき、その地平に何かが見えてくる気がするのです。
「ふつう」とは、「私」抜きの世界ではありません。そして、私の中の「他者」が作り上げています。言い換えれば、誰しも「私」の中に「あなた」を抱えているのです。私を消去し、人を査定するような、一方的な「見る」監視社会では、全てを捉えることはできないのではないかと思うのです。逆に「見られる」ことで初めて世界が見えてくるのではないか。そのような意味で、「ふつう」という物差しは、「私」と「あなた」の狭間で、絶えず透明度を変え揺れ動くシーソーのようなものです。
プロジェ・トロンプルイユ
空間そのものを作品化する映像インスタレーションです。今回は、「見る」ことそのものをテーマにしています。屋外ファサードでの展開では、見ることを象徴する「目」の他に、揺さぶり、ずれ、波紋など様々なシュミレーションが起こり、めまぐるしく変化することによって、視覚が揺さぶられます。ラストは「What do you see?」のメッセージ。現代社会の表象的なメディアに対する問いかけです。
プロジェクトの詳細と前年度のプロジェクションマッピングのムービーはこちらでご覧になれます>
屋外ファサードでの展開
内部空間での展開をムービーでご覧下さい。ステンドグラスとシャンデリアの光の変化で空間が変化します。
エントランスに入るとすぐに作品が展開しています。普段とは違う空間を意識させるアプローチ。
螺旋階段の手摺が非常に美しい曲線になっています。
歪んでいるたくさんの目たち。
日中は西に面したステンドグラスから、柔らかな自然光が差し込みます。既存の光とつなぐように映像を展開したいと考え、シャンデリアも消灯せずに展示しました。
主 催
hip-A
協 力
株式会社プリズム
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