STATEMENT

 私たちが手放しで信じられるものは何でしょうか?それは、私たちが持っている「ふつう」という共通感覚です。震災から、「ふつう」の感覚が劇的に揺さぶられました。この大きな動揺をきっかけに、「私達が今立っている場所は本当に正しいのか?」という問題に向き合いたいと思います。
 パルマコンという言葉があります。パルマコンは英語の“pharmacy(薬),pharmacology(薬学)”の語源でもあり、病気や怪我を回復させる「薬」と人間を殺す効果を持つ「毒」の両方を持っている両価的な概念です。私はアーティストとしての「パルマコン」であることを目指します。アートは必ずしも「正」の感情だけを呼び起こす「美」だけを指すのではないと考えるからです。アートにのみ閉じて静止した「もの」の所有ではなく、時代に寄り添い、日常と地続きの開いた体験を提示したいと考えています。
既成の概念に揺さぶりをかけ、「ふつう」をずらすことで生じるあいまいな境界や、裂け目そのものを提示し、インスタレーション(仮設空間)に再構成し、私たちの目から見えづらくなっている根底の問題をあぶりだしたいと考えています。

What can we trust without reserve is?That is ordinary.It means common sense we have.I think that time to consider our ordinary get shaken by Tohoku disaster violently. There is a historical Greek word "Pharmakon".It means ambivalent relation such a pharmacy and poison.I behave as an artist as "Pharmakon",because art is not always beauty which occur the positive feelings.I think that is not art for art sake.I propose the art for seamless experiences with our living life.I reconstruct into the installation with gaps and cracks by shaking our stereotype. That makes clear and more comprehensible social problems we hard to see.